池袋の歩き方

#6 「池袋演芸場」

池袋西口にある寄席。
入ったことはないが非常に一体感のあるホールだと
写真では感じられます。


さて、なんで行ったこともない場所を、というのがありますが、
先月末に印象的な場面に出くわしたことがあったもので、
それをたまたま思いだしたので書くことに。


昼の11時頃。西口の繁華街にやたらと長い行列。
パチンコ屋とかなら新装開店などで行列はできることがあるけれど、
今はそんな時間ではない。
行列の先を見に行くと、池袋演芸場が。
そこにあった看板は


「九代目林家正蔵御披露目」


そう、こぶ平である。
彼が「正蔵」という、大変すばらしい名を継ぎ、
その晴れの舞台なわけである。


行列の多くはある程度お歳を召した方だが、
中には若い人もいる。
私もそうだが、この若い人たち
八代目正蔵の時代をリアルタイムでは絶対に知らない。
それだけに、相当造詣が深いのだろう。


ぶっちゃけ、私にとってのこぶ平
「落語家」ではなく「生き残った若手芸人」なんですよね。
そんな彼が、名人たる「正蔵」の名を継いでいる、と言う事実。



ちょっと前に見たテレビを思い出しました。
「ねぎし三平堂」で落語の披露をしているのですが、
彼の演技で、お客さんが泣いている姿がありました。
その時、私は落語に「笑い」だけじゃなく「泣かせ」があることを
初めて認識しました。
そして、こんな私でも、「泣かせ」というのがいかに難しい技術か、
それぐらいのことは分かっています。


もう、「こぶ平」のイメージは、本当に捨てきるべきなんだ、
ということが強く感じられた、昼の池袋でした。