30の若僧が語ることではないが
私が中学生の頃、確かTBSの夜に「植木等DX」という番組をやっていた。
初めて見たとき、その「植木等」というお爺さんに
何かものすごく引き込まれるものがあった。
ちょうど、当時は『スーダラ伝説』(クレージー・キャッツのメドレーを植木等が歌ったもの)がリリースされ、
コミックソングに傾倒していた私は、喜んで飛びついた。
かつてのクレージー・キャッツのベスト版もレンタルした。
その中には、気持ちが良いほど底抜けな世界があった。
当時のトシで言うのもアレだが、
遅く生まれたことを強く後悔するほど、
その底抜けっぷりに大いなる魅力があった。
それからというもの、私の嗜好は明らかに年齢不相応なものになっていった。
しかし、そのことに対する後悔はない。
むしろその方が、自分にとって楽しいのだから。
私は彼の、ちょっとしたファンでしかありません。
しかし、私に「楽しい」ということは何なのか、映像の中で教えてくれました。
いまの私は、そこからできているとも自分で思っています。
植木さん、どうかゆっくりお休み下さい。